2024年02月10日 | お知らせ
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2016年03月2日 | コラム
認知症患者家族の法的責任 ある女性の認知症の夫が、線路に侵入し、電車に轢かれ、亡くなりました。 そのため、電車の遅延等が生じ、鉄道会社には振替輸送費や人件費等の損害が発生いたしました。 鉄道会社は、その女性と子に対して、損害賠償請求の訴えを提起しました。 この損害賠償請求は認められるでしょうか。 法律的には、重度の認知症の夫には、法的責任を負わせることはできないため、誰がこの損害を負担すべきか、問題となります。 ここでは、第一審の名古屋地裁の判決から振り返ってみましょう。 名古屋地裁(第一審の判断) ▼...
2016年01月31日 | コラム
贈与の呪縛 昨年のバレンタインディーにチョコレートをいただいたとき、そのお返しをしなければいけない、と感じました。「この気持ちはどこからくるものだろうか」と考えたのが、この記事を書いたきっかけです。 「贈与」という行為は、そのほとんどが好意ではなく、実はとても打算的なものであり、社会において売買よりも本質的な行為なのです。 ある実験 ▼...
2016年01月28日 | コラム
大岡裁き 法令遵守が声高に叫ばれている昨今。 そこから少し距離を置いて。 江戸時代のコンプライアンスについて語ってみたいと思います。 江戸時代の法律は、戦国時代が終わり、江戸幕府の統治を確実なものにする必要があったため、非常に厳しかったのです。 江戸時代中期 ▼ 江戸城の南面にあるお濠は、通称「鴨ヶ淵」といいまして、その内側には将軍家の紅葉庭園がございました。 当時、そのお濠の外から鴨に危害を加える者は、将軍家に弓を引くも同然厳罰に処す、という告知がありました。 「厳罰」とは首を刎ねる、という意味です。...
2016年01月28日 | コラム
カランの法術 金融機関での勤務時代に思い返したお話。 債権やら契約やらは、所詮は虚構の世界。確固たる証拠がなければ事実を立証することはできません。そういった意味では、リスクと常に隣り合わせです。 昔、英国であったお話し。 その夜、一人の農夫が宿屋に泊まって、宿屋の亭主に100ポンドを預けた。 翌朝、農夫はこの100ポンドを受け取ろうとしたところ、この亭主は「お金を預かったことはない」という。 農夫は怒って抗議するものの、預けたという証拠がなく、どうにもならない。 そこで、農夫は弁護士のカランに相談。 カランはしばらく思案し、...